転職アカホン講座
テイカーとは?ギバー・マッチャーのタイプ別特徴と向いている仕事の見つけ方

テイカーの特徴は「自分最優先」気質があること
テイカーとは、他人から「もらう」ことを優先し、自分の利益を重視する性格傾向を持った人を指します。
ビジネス書『GIVE & TAKE』(著書:アダム・グラント|監訳:楠木 建)のなかで提唱された概念で、「ギバー(与える人)」「マッチャー(バランスを取る人)」と並ぶ3タイプのうちの1つです。
テイカーの特徴として代表的なのは、以下のような点です。
- 自己主張が強い
自分の意見をはっきり述べたり、自分の成果をアピールしたりすることが得意です。
- 目的志向が強い
成果や報酬など、目に見える結果を重視する傾向があります。
- 協力よりも競争を重視する
チームよりも個人のパフォーマンスを優先することがあり、人と比べることでモチベーションが上がるタイプも。
- 他人からの見返りを期待する
一見親切に見えても、無意識のうちに「何か返ってくるはず」と考えていることもあります。
こう聞くと、ややネガティブな印象を持たれるかもしれませんが、決して「悪い性格」ではありません。
テイカー気質の人は、成果主義の職場や目標が明確な仕事において力を発揮しやすく、交渉力やセルフブランディングに優れている人も多いのです。
テイカーは疲れる?
テイカー気質を持つ人のなかには、対人関係や自己評価の面で疲れやすい傾向が見られます。
- 疲れやすい理由①:信頼を得にくい
テイカーは自己主張が強く、目標達成に向かって積極的に動ける反面、相手が望んでいることよりも自分の利益を優先していくタイプゆえに、「あの人、自分のことしか考えていないかも」と周囲に思われがち。
その結果、相手との信頼関係を築くのに時間がかかったり、人間関係で誤解を生んだりすることがあります。
- 疲れやすい理由②:常に比較される・してしまう
成果や評価に敏感なため、自分と他人を比較しやすく、「もっと上に行かなきゃ」と無理をしてしまう人もいます。
結果が出なかったときに自己肯定感が下がりやすく、ストレスを感じやすい傾向があります。
- 疲れやすい理由③:本音を隠してしまう
「見返りを求めているように見られたくない」「自分の本心を知られたくない」と感じて、素直に助けを求められなかったり、自分の気持ちを抑えてしまうことも。
そうした我慢が積み重なると、心がすり減ってしまいます。
ポイント!
テイカー気質の人が「疲れる」と感じるのは、環境とのミスマッチや人間関係のギャップによることも多いです。
適した仕事や職場を見つけることで、テイカーの強みが生き、気疲れしにくくなる可能性も十分にあるでしょう。
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ギバーの特徴は「与えること」で相手の信頼を得ること
ギバーとは、他人に惜しみなく与えることを優先する人のことです。
見返りを求めずに助けたり、相手の成功を自分のことのように喜べるタイプで、周囲との信頼関係を築きやすいのが特徴です。
ギバーの主な特徴は以下のとおりです。
- 思いやりが強い
相手の立場や気持ちに寄り添って行動するため、相談されやすく、自然と頼られる存在に。
- 利他的に行動する
相手の成長やチームの成果を優先し、自分の利益よりも「みんなのために」を選びやすいです。
- 協力を生む力がある
周囲の信頼を得やすく、人を巻き込んで大きな成果を出すことができます。
- 見返りを求めない
与えたことへの見返りを期待せず、純粋な気持ちで行動する傾向があります。
一方で、与えすぎて損をしやすい面もあります。
自分を犠牲にしてまで周囲を支えることにより、燃え尽きたり、悪意のあるテイカーに利用されてしまうリスクも潜んでいます。
ギバーとして持続的に活躍するには、「助ける」と「距離をとる」のバランスが欠かせないでしょう。
マッチャーの特徴は「損得のバランスを考えられる」こと
「マッチャー」とは、ギブ&テイクのバランスを大切にする人です。
与えることも受け取ることも公平に考えるタイプで、「持ちつ持たれつ」の関係性を重視します。
マッチャーの特徴としては、以下が挙げられます。
- 公平性を大切にする
一方的に損や得をすることを嫌い、対等な関係を築こうとします。
- 相手の出方を見て行動する
「この人が協力的なら自分も協力しよう」と、相手の態度に合わせる傾向があります。
- 信頼と警戒のバランスが取れている
人を信用しつつも、無条件に信じすぎず、冷静に判断できるのが強みです。
- 組織でうまく立ち回れる
ギバーほど自己犠牲せず、テイカーほど自己中心的でもありません。
チーム内での潤滑油のような役割を果たすことができるとされています。
常に中立的で公平を重んじるマッチャーですが、「損得勘定で動いているように見られる」と誤解されやすい面も。
また相手の行動に依存して判断する傾向から、意思決定に迷いやすいケースもあります。
【FAQ】
Q. テイカー気質は営業に向いているって本当?
一定の場面では「向いている」といえるでしょう。
営業職は「数字」「結果」「交渉」が求められる仕事。
成果志向で目標にコミットできるテイカー気質の人は、成績を伸ばしやすい傾向にあります。
特にインセンティブ型の営業や、個人の裁量が大きい仕事では力を発揮しやすいでしょう。
ただし、長期的な信頼関係を築く営業スタイル(例:法人営業や顧客フォロー重視の営業)では、テイカー気質が裏目に出てしまう可能性も。
その場合は「自分だけの利益ではなく、相手の価値も考える意識」を持つことが大切です。
Q. もしテイカー気質の人が職場にいたらどうしたらいい?
テイカー気質の人が周囲にいると、「自分ばかり損をしている」と感じてしまうこともあるかもしれません。
敵対心を持つのではなく、相手の行動を冷静に観察することで、適切な距離感や良好な関わり方を見極めるヒントが見えてくるでしょう。
具体的な対処法
相手の反応を見て関わり方を調整する
マッチャー的な対応を意識することで、一方的な搾取を防げます。
無理に付き合いすぎない
自分の時間や気力を守るために、適度な距離感を保つのも有効です。
役割や成果を明確にする
曖昧な業務分担だと、テイカータイプは自分が有利になるように持っていく傾向があるため、責任の所在をはっきりさせると安心です。