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【職種解説】社内SE・ヘルプデスクへの転職を成功させる!ー主な仕事内容や必要な資格まで解説

社内SE・ヘルプデスクとは?
企業のIT環境を支える「社内SE」と「ヘルプデスク」は、社内のシステムやIT機器の運用・管理を担当する職種です。
どちらもITエンジニア職に分類されますが、業務内容や求められるスキルには違いがあります。
本記事では、「社内SE」「ヘルプデスク」のそれぞれの主な業務内容や向いている人の特徴、関連度の高い資格などの解説はもちろん、求人の特徴や想定できるキャリアパス、年代別の年収などもお伝えします。
社内SE・ヘルプデスクが目指せる企業
社内SE
富士ソフト株式会社
株式会社ラクスパートナーズ
ヘルプデスク
株式会社フェローシップ
株式会社エンパワー
※2025.3.21時点での情報です。
社内SEとは
社内SE(システムエンジニア)は、企業内のITインフラや業務システムの設計・開発・運用・保守を担当する職種です。
主な業務内容は以下のとおりです。
- ・システム開発・導入
業務効率化のための社内システムの開発や外部ベンダーとの調整
- ・インフラ管理
サーバー、ネットワーク、クラウド環境の構築・運用
- ・セキュリティ対応
社内の情報セキュリティ強化(ファイアウォール設定、アクセス管理)
- ・IT戦略立案
経営戦略に基づいたIT施策の企画・実施
- ・トラブル対応
システム障害やネットワークトラブルの原因特定と対応
ヘルプデスクとは
ヘルプデスクは、主に社内の従業員や顧客からのIT関連の問い合わせ対応を行う職種です。
具体的な業務内容は以下のとおりです。
- ・問い合わせ対応
PCやソフトウェアの操作方法、トラブルに関する質問対応
- ・アカウント管理
新規アカウントの発行、パスワードリセット、アクセス権限の管理
- ・ハードウェア・ソフトウェアの設定
PCのセットアップ、プリンタや周辺機器の設定
- ・IT資産管理
社内のPC、ソフトウェアライセンス、ネットワーク機器の管理
- ・マニュアル作成・研修
社内向けITマニュアルの作成や研修の実施
エンジニア職における立ち位置は?
社内SEとヘルプデスクは、どちらも企業のITインフラを支える重要なポジションですが、役割に違いがあります。
社内SE:システムの設計・開発・運用を担い、企業のIT戦略を推進する役割
ヘルプデスク:日々のITサポートを提供し、社員がスムーズに業務を行えるように支援する役割
社内SEは「効率的な方法を見つけられる人」がより向いている!
社内SEに向いている人の特徴は以下のとおりです。
- ・論理的思考力がある(システム設計やプログラムの構築ができる)
- ・プロジェクト管理が得意(スケジュール調整やベンダーとの折衝)
- ・セキュリティやITインフラの知識がある
- ・継続的に学習する意欲がある(新技術への対応が必要)
論理的な思考力とは、複雑な情報や問題を整理し、無駄を省いて最適な方法を導き出す力です。
日常的な状況に当てはめると、たとえば「限られた時間で最良の解決方法を見つける」や「複数の選択肢の中から最も効率的な手順を選ぶ」ことが考えられます。
家族や友人といるとき、あなたはどのように振る舞うことが多いでしょうか?
自分のスケジュール管理はどのように行っているでしょうか?
振り返って観察してみましょう。
ヘルプデスクは「聞く力がある人」がより向いている!
ヘルプデスクに向いている人の特徴は以下のとおりです。
人とのやり取りが得意で、スムーズに対応できる(問い合わせ対応が多いため)
IT機器やソフトウェアの基本知識がある
問題解決力がある(迅速なトラブルシューティングが求められる)
丁寧な説明ができる(非IT系の社員にもわかりやすく伝える力)
ユーザーやクライアントなどが困っていることを正しく理解して汲み取る力が重要なヘルプデスク。
そこから得たフィードバックを、今度はまた別の人に共有する必要があります。
ITに関する基本知識に加えて、傾聴と理解、説明ができるコミュニケーション能力が必要不可欠です。
未経験転職をする場合に必須の資格はなし!
社内SEやヘルプデスクになるために必須の資格はありません。
ですが持っていると有利な資格はあるので、それぞれ押さえておきましょう。
社内SE向け資格
- ・基本情報技術者試験
- ・応用情報技術者試験
- ・ITILファンデーション
- ・ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ヘルプデスク向け資格
- ・ITパスポート
- ・Microsoft Office Specialist
- ・CompTIA A+
求人の特徴
社内SEの求人の特徴
- ・募集の多い業界:メーカー、金融、流通、小売など
- ・求められるスキル:プログラミング、ネットワーク、データベース管理
- ・正社員比率が高い
自社システムの設計から開発、その運用までを担うことから長期的な雇用が前提であることが比較的多いでしょう。
ヘルプデスクの求人の特徴
- ・募集の多い業界:IT企業、BPO、一般企業の情報システム部門
- ・未経験歓迎の求人が多い
- ・契約社員や派遣が多いが、正社員登用もあり
ヘルプデスクの業務は、企業のITインフラに依存していることが多め。
特にプロジェクトごとの需要が高く、企業は必要な時期に必要な人数だけで対応をするために派遣社員を雇う傾向にあります。
このように柔軟にリソースを調整できる一方で、スキルの蓄積や社内の信頼関係の構築も
システム開発の要。
考え取っ替え引っ替えで人員を変えるのではなく、社内の文化や理念に共感し、長期的な視野で問題解決に取り組むことができる人材も期待されています。
年代別の想定年収
社内SE(システムエンジニア)の年代別想定年収
- ・20代 約458万円
- ・30代 約559万円
- ・40代 約624万円
ヘルプデスクの年代別想定年収
- ・20代 約300万円~約350万円
- ・30代 約350万円~約400万円
- ・40代 約400万円~約450万円
社内SE転職ナビ|ヘルプデスクの平均年収とキャリアパス!年収アップの具体例を紹介
想定できるキャリアパスは幅広い!
社内SE
ITマネージャー / CIO(最高情報責任者) / CTO(最高技術責任者)/ 外資系IT企業のSE
など
▶︎会社全体のIT戦略を策定し事業成長に貢献したり(CIO)、技術戦略の策定・実行、エンジニア組織の統括したり(CTO)と、単独のシステム構築のみならず企業規模の業務にチャレンジできるでしょう。
ヘルプデスク
ITサポートスペシャリスト / 社内SE / ITコンサルタント
など
▶︎ヘルプデスクで培う課題解決力やITサポート経験を強みに、ITコンサルタントとして企業間のIT課題の改善を行ったり、戦略を考案したりすることができるように。
いずれにしても、技術力+業務知識+マネジメントスキルをバランスよく身につけることが重要です。
履歴書や面接で使える志望動機例
- ① 未経験から社内SEを目指す場合
「ITに興味があり、業務改善やシステム運用に携わりたいと考えています。基本情報技術者試験を取得し、現在Pythonを学習中です。貴社のIT基盤を支える社内SEとして成長したいと考えています。」
▶︎興味や関心があるだけでなく、自己学習を積極的に行う姿勢が面接官にも好印象を与えること間違いなし!
- ② ヘルプデスク経験を活かし社内SEへキャリアアップ
「ヘルプデスクとして3年間勤務し、社内のITサポートを担当してきました。システムトラブルの分析や運用改善に携わる中で、より本格的にシステム開発・運用に関わりたいと考えるようになりました。」
▶︎これまでの経験を活かしながら、さらに自己成長したい気持ちが伝わる文章が作れていて◎
上記に加えて、「どのようなきっかけ」で、「なぜ開発に携わりたいと考えたのか」についても触れられていると、グッと内定確率もアップ!
- ③ ヘルプデスク職を希望する場合
「人と関わることが好きで、ITスキルを活かして社内の業務を円滑に進めるサポートがしたいと考えています。前職でPCトラブル対応を行った経験があり、ITサポート業務に自信があります。」
▶︎「自分の強み」×「前職での経験」で、志望動機に具体性があるよい例。
また「トラブル対応を通して学んだことがあるか?」という追加質問をされる可能性が高め!
入念に自己分析をするだけでなく、成功体験の棚卸しもあわせて準備しておきましょう。