転職アカホン講座
ポータブルスキルを磨く方法
どの業界・職種においても発揮できる力(=ポータブルスキル)を磨くことは、絶えず状況が変化し続けている現代において必要不可欠です。
果たしてなぜ重要なのでしょうか?
今回は、ポータブルスキルが必要とされるようになった背景と概要、鍛える方法を解説していきます!
目次
1. 必要とされる背景
2. ポータブルスキルとは
2-1. 対自分力
2-2. 対人力
2-3. 対課題力
3. 鍛え方
4. まとめ
1. 必要とされる背景
転職が珍しいことではなくなったという時代変化が挙げられます。
中でもコロナウイルスとその影響は、誰もが自分自身のあり方について考えるきっかけとなりました。
これは個人に止まらず、社会も同様です。
安泰とされていた大手企業の経営難が、当時いくつも報道されました。
他企業も雇用が揺らぎ、生涯安心な業界・職種はどんどんなくなってしまいました。
”どこへ行っても通用するスキルを身につけなければならない”
この頃から少しずつ、多くの人の中にこのような気持ちが現れてきたように思います。
定年まで同じ会社で長く働くという以前の思考は、
自分自身がどうありたいか、どのようなキャリアを歩んでいきたいかという気持ちを根底に、それを踏まえた会社選び思考へとすっかり形を変えたのでした。
そしてグローバル化やIT化が、そのスピードをさらに加速させています。
2. ポータブルスキルとは
厚生労働省では、以下のように記載されています。
「ポータブルスキル」とは、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルのこと。
厚生労働省 ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)
では「スキルアップ」と聞くとどのようなことを思い浮かべるでしょう。
IT職なら、プログラミング言語スキル?
経理職なら、財務諸表分析スキル?
営業職なら、商品の専門知識?
”その職務を行う上での、何かに特化したスキル”と考えがちなのではないでしょうか?
しかしこれらのスキルは、テクニカルスキルと呼ばれ、汎用性の観点からは必要不可欠ではありません。
ここで言う汎用性とは、先述した「どこへ行っても通用する」ということ。
どの業種・職種においても発揮できる力(=ポータブルスキル)は、何も特別な力を指すのではなく、もっと人間的な土台部分のことを指すのです。
一緒に整理しながら見ていきましょう。
2-1. 対自分力
ベクトルが自分自身に向いた「対自分力」は、主に以下の4つを含んでいます。
・内省
・自己客観
・役割の理解
・進捗管理
業務をただ行うのではなく、継続してさらに発展させていくためには、どこがよくなかったのかと振り返り、どうすればよかったのかと反省し、次回はこうしていこうと改善する姿勢が欠かせません。
さらに、仕事は個人作業ではなくチームで行うことも多くあります。
自身の立場や役割を理解し、他のメンバーに指示を出したり協力を仰いだりする必要があるだけでなく、締切から逆算されたスケジュール管理もあわせて行わなければなりません。
2-2. 対人力
人との関わり方における「対人力」は、主に3つあります。
・社内対応
・社外(業者、クライアント、顧客)
・部下マネジメント
上記3つは、言い換えると”社会的なコミュニケーション力”と表現できるでしょう。
家族や友人相手のフランクなコミュニケーションではなく、適度に距離を保ち敬意を払ったコミュニケーションを行うことが求められます。
時にユーモアを交えながら、相手を不快にさせないよう心がけるコミュニケーションスキルは、全てのビジネスパーソンにとって必要であると同時に、非常に難しくもあります。
加えて部下マネジメントは、部下の価値観や意見を尊重しながらも適切に評価されなければならず、さらに部下のモチベーションを下げてしまわぬよう配慮もしなければなりません。
2-3. 対課題力
周囲の環境は万全でも、課題解決を行わなければ企業という組織は成り立ちません。
「対課題力」は以下の4つにまとめることができます。
・情報分析
・適切なゴール設定
・課題の解決能力
・柔軟性
市場や競合他社、既存製品などの分析から、今後の目標設定を行います。
可能な限りの数値化を行い、情報を見える化。
他メンバーにも共有し、期限を設けながら最終目的の設定を行いましょう。
目標達成までにはさまざまな問題が生じることが予測されます。
柔軟性を持って対応しながら、仕事を前に進める力も大きく求められてくるでしょう。
3. 鍛え方
上記全てを完璧に行うことは極めて難しく、机に向かって熱心に学習して得られるものでもないはずです。
「ポータブルスキル 鍛え方」と検索をすると、ビジネススクール入学や他外部研修への参加などがヒットしますが、最も効率的に身に付けるためには「経験」することが何より最重要なのです。
行動しましょう
社内の研修制度を再度受講して見直してみたり、対自分力を意識してみたりと、小さなことでも「行動」を起こしてみましょう。
行動したあとは、自分を省みることを忘れてはなりません。
観察ー分析ー行動ー内省、この一連の流れを行ううちに、他の人より優れているポータブルスキルの発見にも繋がるかもしれません。
ロールモデルを作って真似してみましょう
伸ばしたいポータブルスキルを持っている人を観察し、言動を真似してみるのも一つの手。
どのような状況で、どのようなアクションを起こしているのでしょうか?
こちらも単なる人間観察で終えてしまうのではなく、得た情報を分析して共通点を探り、次へ繋げる動きを心がけると◎。
4. まとめ
今回は、どのようなジャンルの業界・職種においても通用するスキル、ポータブルスキルについてご紹介しました。
経験することで手に入れることができるポータブルスキルですが、その経験をするための大前提として、”失敗を恐れずチャレンジする力”が最も大事とも言えるかもしれませんね。
ポータブルスキルの向上は、あなたのキャリアをどんどん広げていきます。
全てのビジネスパーソンが磨き続けていくものなのです。