転職アカホン講座
ビジネスシーンでの「とんでもないです」を言い換える
上司「〜してくれてありがとう!」
自分「とんでもないです!」
職場で目上の人にお礼を言われるたびに、つい口に出していませんか?
たとえ取るに足らないことであったとしても、感謝の気持ちをせっかく伝えてもらったのにもったいない!
謙遜の表現だけではない「とんでもない」の意味をおさらいして、ビジネスシーンでの言い換え表現をチェックしてみましょう!
「とんでもない」の意味
辞書・辞典の無料検索サービスであるgoo辞書によると、以下の意味があるとされています。
1.思いもかけない。意外である。「—・い人にばったり出会う」「—・い発明」
2.もってのほかである。「—・い悪さをする」
3. まったくそうではない。滅相もない。相手の言葉を強く否定していう。「—・い、私は無関係だ」
今回解説するのは、3つめの滅相もないという意味合いを伝えたい場合ですね。
上司や先輩などの目上の人から感謝をされたり、嬉しい言葉を言ってもらったときに「いえいえ」「そんなことないです」と相手を敬う謙遜の気持ちを表しています。
「とんでもないです」は正しい敬語?
厳密には誤用表現とされています。
なぜなら、「とんでもない」は形容詞だから。
引用した上記文章を確認してみると、後ろには名詞が続いていることが分かりますね。
「形容詞+です」という使い方は、昭和27年4月に国語審議会で簡易的表現として認められる前は誤りとされていました。
言葉は、時代や人々によって形を変えていくものでもありますから、現代では慣用句として広く使われています。
平成15年度の文化庁の調査では、丁寧に表現した類似表現「とんでもございません」という誤用表現に対して、約7割の人が「気にならない」と回答しており、ビジネスシーンではむしろ相手に丁寧な印象を与えることが期待できるでしょう。
参考:平成15年度「国語に関する世論調査」の結果について 4.気になる言い方
ビジネスシーンでの「とんでもないです」の例文
A: 「素晴らしいプレゼンテーションでした!」
B: 「とんでもないです、Aさんのお力あってこそです。」
A: 「お料理がとても美味しいです!」
B: 「とんでもないです、まだまだ練習が必要です。」
ビジネスシーンで用いると、相手への敬意と褒めてもらったことに対するやわらかい否定が含まれていることが特徴です。
何とも日本らしい、慎み深い言い回しですね。
ビジネスシーンでの「とんでもないです」の言い換え
恐縮です(恐れ入ります)
A: 「お時間を割いていただき、ありがとうございます。」
B: 「恐縮です、こちらこそ貴重なお話を伺えて嬉しいです。」
滅相もないことです
A: 「あなたの業績には本当に感心しました。」
B: 「滅相もない、まだまだ未熟です。」
光栄です
A: 「昇進おめでとう!」
B: 「誠に光栄です。今後もより一層努力してまいります。」
相手に気持ちが伝わるように!
本記事を執筆していて感じたことは、相手によって使い分けるのもおすすめであるということ!
表現に関する正誤はあるものの、その場で適切かつ相手に伝わる言い回しであればよいのではないかな?というのが転職アカホン編集者自身の感想です。
たとえば相手が急いでいる中でお礼を伝えてくれた場合、長々と謙遜する必要はありませんし、親しい先輩に対して「滅相もないことです」と言うのも格式があり過ぎてしまいませんか?