【職種解説】機電系エンジニアの理解を深めるー主な仕事内容や必要な資格まで解説

機電系エンジニア職は、機械工学と電気・電子工学の知識を活かし、製品の設計・開発・製造に関わる仕事です。
自動車、家電、産業機械、ロボット、航空宇宙産業など多岐にわたる業界で活躍できます。近年ではIoTやAI技術の発展により、機電系エンジニアの需要はますます高まっています。

未経験からの転職も可能であり、学ぶべき知識やスキルを身につけることで安定したキャリアを築ける職種です。
本記事では、機電系エンジニアの主な仕事内容や必要な資格、求人の特徴や想定年収などを解説します。

機電系エンジニアが目指せる企業

株式会社ビーネックステクノロジーズ
ジャパニアス株式会社
ｎｍｓエンジニアリング株式会社

※2025.2.28時点での情報です。

機電系エンジニアとは？

機電系エンジニアの定義

機電系エンジニアは、機械（Mechanical）と電気・電子（Electrical）の両方の知識を用いて、製品の設計や開発を行う技術者です。
主に以下のような業務を担当します。

• ◾️機械設計：CADを使用して製品の構造や部品の設計を行う。

• ◾️回路設計：電子基板やセンサーの設計、電源回路の開発。

• ◾️制御システムの設計：マイコンやPLCを活用し、製品の動作を制御。

• ◾️生産技術・品質管理：製造工程の最適化や品質向上のための施策を実施。

ITエンジニアとは「作るモノ」が違う！

ITエンジニアがソフトウェア開発やシステム構築を中心に担当するのに対し、機電系エンジニアは主にハードウェアに関する設計・開発・製造を担当します。

POINT!
ソフトウェア・・・Microsoft OfficeやmacOSなど
ハードウェア・・・PCやプリンター、タブレットなど

IoT技術の発展により、近年では機電系エンジニアにもプログラミングやデータ分析の知識が求められるようになっています。

主な仕事内容
機電系エンジニアの仕事内容は、担当する分野や業界によって異なります。
主に以下の業務があります。

• ◾️機械設計・開発
  製品の基本構造を設計し、試作・評価を行います。
  使用ツール：AutoCAD、SolidWorks、CATIAなど。
  具体的な業務：部品設計、材料選定、強度計算、試作評価。

• ◾️電気・電子回路設計
  電子機器や制御回路の設計を行います。
  使用ツール：OrCAD、Altium Designer、SPICEなど。
  具体的な業務：電源回路設計、基板レイアウト、電子部品の選定。

• ◾️生産技術・品質管理
  製品を動かすための制御プログラムを開発します。
  使用ツール：C言語、Python、MATLAB、PLC（シーケンサー）など。
  具体的な業務：マイコンプログラミング、センサーデータ処理、組み込みソフトウェア開発。

• ◾️生産技術・品質管理
  製品の製造工程を設計し、品質向上のための施策を立案します。
  使用ツール：Excel、統計解析ソフト、IoT監視システム。
  具体的な業務：生産ライン設計、不良解析、工程改善。

doda｜機械設計の職務経歴書テンプレートと書き方ガイド
株式会社ビーネックステクノロジーズ｜電気設計の仕事内容は？将来性や必要な知識・スキル、年収例を解説

地道な努力を積み重ねることが得意な人はより向いている

機電系エンジニアには、以下のような特性を持つ人が向いているでしょう。

• ・モノづくりが好きな人：設計や開発に興味がある

• ・論理的思考が得意な人：課題解決のプロセスを考えられる

• ・細かい作業が苦にならない人：精密な設計や組立作業がある

• ・最新技術に興味がある人：IoTやAIなど、新技術を学び続けられる

いざ「何かを製作した経験」や「問題解決をした経験」を問われると、考え込んでしまいかねません。
自分の強みはもっと日常生活に紛れ込んでいるはず！
DIYや工作が好きだったり、論理的に思考する謎解きが得意だったりしませんか？
「いつもの自分」を注意深く分析してみましょう。

機電系エンジニアになるための必要な資格はなし！

機電系エンジニアになるために必須の資格はありません。
ただし以下の資格を取得しておくと、今後のキャリアアップに有利にはたらく可能性が高まります。

• ◾️機械設計技術者試験（設計スキルを証明）
  機械設計に関する知識やスキルを証明する試験。
機械設計の基礎から実務レベルまで幅広く評価されます。

• ◾️電気主任技術者（電気設備の管理に必要）
  工場やビルの電気設備を管理・保守するために必要な国家資格。
第1種から第3種まであり、特に第1種・第2種は高圧・特別高圧の設備を扱えるため、責任範囲も広がります。

• ◾️電気工事士（電気配線の工事に必要）
  電気設備の配線工事や保守を行うために必要な国家資格。
第1種と第2種があり、第1種は工場などの大規模施設の工事に対応、第2種は一般住宅向けに対応しています。

• ◾️CAD利用技術者試験（設計ツールのスキルを証明）
  機械・建築設計に必須のCADソフトを扱うスキルを証明する試験。
2級は基本操作、1級はより高度な設計能力が求められます。
CADを使うエンジニアにとって有利な資格！

• ◾️基本情報技術者試験（ITスキルを補完）
  プログラミングやデータベース、ネットワークなどの基礎ITスキルを証明する国家資格。
  機電系エンジニアでも、組み込み開発やIoT関連の業務に携わる場合は役立ちますし、IT業界への転職をする場合は取得して間違いなしの王道資格でしょう。
  2021年以降の合格率は約40%。
  十分な勉強時間を確保し効果的な対策を行えば、独学でも十分に合格を目指せる試験です。

マイナビAGENT｜機械エンジニアに資格は必要？役立つスキルや資格と転職の関係を紹介
ウイルタス｜電気エンジニアのおすすめ資格5選｜取得のメリットと勉強法も紹介！
スタディング｜基本情報技術者試験の難易度は？科目B試験の擬似言語は難しい？

機電系エンジニア職は未経験でも大いにチャレンジできる

機電系エンジニアは、未経験でもキャリアをはじめられます。
専門的な知識や技術が求められる分野ではありますが、研修制度が充実している企業も多く、基礎から学べる環境が整っています。
理系出身者はもちろん、文系出身者でも挑戦できる職種でもあり、モノづくりに興味があれば十分に活躍のチャンスがあるでしょう。

機電系エンジニア職の求人の特徴と想定されるキャリアパス

求人の特徴

• ◾️求人の多さと安定性
  機械・電気系エンジニアは製造業を中心に幅広い業界で求められ、常に一定の需要があります。
  特に自動車や半導体、電機メーカー、ロボット、FA（ファクトリーオートメーション）などの分野で募集が多く、安定したキャリアを築きやすい職種です。

• ◾️未経験・第二新卒でも十分にチャンスがある
  CADや回路設計、制御システムなどの基礎知識があれば、未経験や第二新卒でもチャレンジできる求人があります。
  特に技術研修が充実しているメーカーや派遣・請負系の企業では、入社後の育成体制が整っているケースが多いでしょう。

株式会社アウトソーシングテクノロジー｜機電系エンジニアになるには？必要なスキルや注意点、これからのニーズの拡大などについても解説します｜機電系エンジニアが活躍する業界と仕事内容

働き方の特徴

• ・メーカーの正社員：設計・開発・評価・生産技術・品質管理など幅広い業務
• ・派遣・請負エンジニア：大手メーカーのプロジェクトに参画し経験を積める
• ・受託開発企業：複数の業界・技術に触れる機会が多い

キャリアパス

• ◾️スペシャリストとしてのキャリア
  設計・開発エンジニア（機械設計、電気回路設計）として経験を積み、上級エンジニア・テクニカルリーダーとして技術を極める。
  研究職やR&D（研究開発職）などへのキャリアアップも。

• ◾️マネジメントへのキャリア
  プロジェクトリーダー（PL）としてチームをまとめる。
  部門マネージャー・工場長などの管理職へ昇進が目指せる。

• ◾️他分野へのキャリアチェンジ
  コンサルティングやセールスエンジニアとして顧客支援に携わる。
  独立や起業をして、フリーランスエンジニアや技術顧問として活動することも。

fabcross for エンジニア｜電気エンジニアのキャリアガイド｜今後の成長分野と必要スキル

機電系エンジニア職の想定年収
機電系エンジニアの年収は、業界や経験によって大きく異なります。
参考程度に見てみてください。

平均年収

• ◾️未経験・新人：年収300万円～400万円

• ◾️経験3年以上：年収450万円～600万円

• ◾️管理職・専門職：年収700万円以上

業界別の年収例

• ◾️自動車業界：500万円～800万円

• ◾️半導体業界：550万円～900万円

• ◾️家電業界：450万円～700万円

職業情報提供サイト｜機械設計技術者
ウイルタス｜機械エンジニアの年収相場は？収入アップを目指す方法も徹底解説！

まとめ

機電系エンジニアは、未経験からでも挑戦できる技術職であり、需要も高く、安定したキャリアを築けます。
モノづくりに興味がある人、最新技術に関わりたい人にとって魅力的な職種です。

「知識ゼロだけど機電系エンジニアに転職してみたい・・・！」